原子力への挑戦

冗長性を備えた核施設から残留ナトリウムを除去するという挑戦

核施設から残留ナトリウムを安全に除去するには、特別な挑戦が伴います。 まずは構造です。 ナトリウム冷却を使用する高速炉のクーラントシステムは大型で複雑で密閉式です。 形状の違うパイプや容器は、たいていナトリウムを保持し、反応物質ガスのアクセスを妨げる複雑な内部構造を有しています。 絶対とはいいませんが、原子炉の設計段階で、今後の排水やナトリウム除去を考慮することはほとんどありません。 原子炉の設計は廃炉作業上の挑戦ではなく、作業時の安全性と効率に注力しています。 結果として、ナトリウム冷却剤を完全に排出するのは不可能となり、ナトリウム金属の一部はパイプや容器内に残ります。 それら残留物の量、位置、また深さを確実に予測したり測定したりすることはできません。 残留ナトリウム量の予測がかなり外れる可能性もあります。 そのためナトリウム除去プロセス中に不安定で危険な状況が起こりかねず、結果として充水につながるかもしれません。

フランスのスーパーフェニックス電子力発電所のように、比較的内部構造がシンプルで、主要な要素の検査を可能にするロボット式カメラシステムを開発し、残留ナトリウムの位置を目視確認して、排出用に孔を開けられるものもあります。 ロボットがあらゆるスペースに出入りできるわけではありません。 ループ型原子炉の設計はより複雑で、そのようなロボットによる検査と管理にはあまり向いていません。

残留ナトリウムの量と深さを判断できずに、ガスの流れが制限されてパイプが詰まっている場合、すべての金属ナトリウムが安全に反応するまで、ナトリウム除去プロセスを停滞なく徹底するのは重要です。 化学変換フェーズ完了後も残留しているどんな金属ナトリウムも、後から原子炉に充水する際に危険な状況を生み出します。 これはEBR-II事故の根本原因です。中性化後も残っていた金属ナトリウムが酸性化した流水に触れた時、ループ型原子炉の二次クーラントの一部が破損しました。

もう一つの挑戦は、洗浄時にクーラントシステム、特に放射線物質を含むかもしれない一次冷却回路を無傷に保つ必要性です。 WVNなど除去技術の中には、突然の水/ナトリウム反応から圧力の変位を起こし、配管システムの亀裂につながる巨大な圧力を生じさせるものもあります(ドキュメンタリー文書137-139ページ)。

三番目の挑戦は、ナトリウム除去作業の実施はすべて、監督官庁の承認が必要であり、体系的に確認し、計画し、実証し、承認し、管理しなければならないことです。 これには特定のナトリウム除去技術の使用に関する追跡記録と経験を信頼することが必要です。 信頼できる安全性を構築するための経験に、中性化やWVNの場合のような予想外の激しい事故が含まれる場合はさらに難しいでしょう。

利用可能なナトリウム除去技術は、これら三つの挑戦に対処する上で異なる能力を持っています。 それぞれの技術の限界も考慮しなければなりません(一例として中性化プロセスの深さに対する限界) 以下の表で、システムの損傷につながる予想外の激しい事故を経験したプロジェクトと、原子炉の残留ナトリウム洗浄を達成できなかったプロジェクトは「成功」に分類されていません。 主な原子力プロジェクトで二つの技術だけが成功を実証してきました:

  • Fermi-1とSEFOR原子炉、およびFFTF-CRCTA実験施設現場でのCEI-SHS™処理です。
  • スーパーフェニックス原子炉ではロボット検査と穿孔の後、パイプを切断して深い沈殿ナトリウムすべてをパイプから物理的に除去し、残った薄膜を中性化しました。
上部へスクロール
You can visit our other websites:   Creative Engineers
close
open